「戦国六角記」― 湖国を揺るがせた名門一族→発売中
◆「出版の辞」
愛読者の皆様へ
前作『三田村一族の興亡』では、静かな郷土史から北近江の中世へと旅を広げ、多くのご声援をいただきました。その歩みの果てに、ひとつの問いが胸に生まれました。 ――南近江の中世は、どのような貌を秘めていたのか。
史料の闇に分け入るほど、観音寺城を中心に時代を駆け抜けた六角氏の軌跡が、一地方史を超え、中世そのものの鼓動を映す壮大な物語として立ち上がってきます。
新作『戦国六角氏・・・湖国を揺るがした名門一族』では、この六角氏の興亡を軸に、南近江が抱え続けた光と影を、より大胆に、より深く、より劇的に描き出しました。
前作と新作を併せてお読みいただくことで、北近江から南近江へと連なる近江中世史の全体像が、一目で鮮やかに浮かび上がります。 ぜひ二冊を通して、近江の中世社会を存分に味わっていただければ幸いです。


近江を動かし、時代を揺らした名族・六角氏。その実像は、いまなお謎に包まれています。本書は、鎌倉から戦国末まで続く彼らの長い歩みを、ドラマ性と史実の両面から徹底的に掘り下げました。
観音寺城の攻防、南北朝の乱、戦国大名としての挑戦と挫折――激動の歴史の中心にいた彼らの姿が、いま鮮やかによみがえります。
“湖国の歴史がこんなにも面白い”と実感できる、決定版の一冊です。
第1作(2019年発刊)『三田村一族の興亡 ― 秀吉も一目置いた北近江の武士団』では、居住地域の歴史を手がかりに、1570年の姉川合戦から羽柴秀吉による北近江支配(長浜城主1574〜1582)に至るまでの動向を取りまとめ、北近江の中世史を概観しました。
その後、関心は南近江へと及び、「南近江の中世史はいかなる姿を示したのか」という課題意識のもと、第2作(2026年発刊)『戦国六角記 ― 湖国を揺るがした名門一族』を執筆しました。観音寺城を本拠とした六角氏の動向を中心に、南近江の中世史を整理・叙述しました。
これら二冊により、北近江・南近江双方の中世史を通観する試みは一応の区切りを迎えました。78歳の私にとっては「人生の置き土産」です。

京都新聞(利用許諾済み)