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乾坤一擲の一冊 ! 世に問う

書籍表紙

第一章 三田氏、湖北に至る        第二章 渡来系氏族・三田氏から「三田国」の三田氏へ

第三章 荘園となった三田村     第四章 三田村家のはじまり    第五章 三田村家の再興

第六章 京極家の根本被官から浅井家の家臣へ     第七章 信長の台頭と長政の離反

第八章 三田村家の滅亡

本書の内容と視点

 自宅近くにある真宗大谷派の古刹「傳正寺」は周囲が土塁で囲まれています。一辺の長さ100㍍四方で、高さ四㍍前後の土塁群は今も圧巻です。集落の中心にあるにもかかわらず人家から隔絶された要塞のようです。

 1990年4月、俳優の三田村邦彦氏が「テレビ朝日」の番組で当地を訪れました。目的は三田村姓のルーツを探る旅番組です。傳正寺の片隅に手入れの行き届いた「三田村氏有縁の地」の石碑と新鮮な花がいつも供えられています。石碑は当地(滋賀県長浜市三田町)が全国にお住まいの三田村さんの発祥地であった証左です。またお住まいの地名が三田であれば、元亀元年(1570)の姉川合戦で三田村城落城後に当地から逃延びた人たちが、故郷を忘れないように付けた可能性も考えられます。

 長浜市教育委員会によって土塁のトレンチ調査が始まり、三田村左衛門の城郭が解明されました。調査は約一ヶ月にわたり、その成果は「三田村氏館跡総合調査報告書」として答申され、文科省から国の史跡に指定されました(2006・1・26)。

 三田村氏館跡が国の史跡に指定された時は、三田町はお祝いムードに沸きました。住民は郷土の新しい歴史遺産として誇りに思っていましたが、あれから20年を経た今日では歳月の経過とともに忘れ去られています。案内板も心なしか色あせてきました。特に若い人たちは、現状の崩れた土塁には関心も薄く残念です。

 国指定の史跡はこれからも残りますが、住民の意識や史跡維持の風化が心配です。郷土の共有財産を受け継ぎ、高齢化が進む三田町発展の起爆剤として活用することを願っています。それには先人たちの足跡をたどり、三田町の歴史を後世にしっかりと伝える責務があります。

 本書は古代のロマンあふれる三田村を再現し、本題の佐々木幸弼による地頭職赴任(1200年~)から姉川合戦(1570年6月28日・グレゴリオ暦7.26)までを克明に追いました。370年間をクローズアップし、名門「三田村氏」の功績を顕彰しました。鎌倉幕府の全国統治を盤石にした近江守護・佐々木氏は、近江で最も豊かであった当地に信頼できる有力御家人「佐々木幸弼」を派遣したことが鎌倉幕府の安定に繋がりました。ファクト(事実)100%では研究論文になってしまうため、ファクト80%+フィクション(創作)20%で構成。歴史に無関心な方にも楽しんでいただけるストーリー仕立てとし、中世(鎌倉〜室町〜戦国時代)をリアルに体験できる内容としました。

読書の楽しみ方・・・本書を愛読して頂くには中世社会に溶け込むことがストーリーをおもしろくさせてくれます。現代とは異次元の中世社会の人々は物理的制約や思考の限界の中で知恵を絞り肉体を追い込んで困難に臨み、ある者は死にある者は生き延びたのです。登場人物には現代的な思考を持たせず、当時の文化や価値観を忠実に再現。時代小説の醍醐味である「その時代への没入」を徹底しています。つまり現代的に考えさせることが内容をつまらなくすると考えます。本書に登場する人物たちの振る舞いは、現代人から見れば何と非常なとか、何と哀れなとか、何と命の軽いこととか、反対に何と美しいのか、様々な感情を抱かせますが、これがこの時代の流儀であり、ありふれた感覚でした。執筆中は中世社会にタイムスリップし、当時の武士や農民になりきって思考し行動し会話を楽しみました。時代小説の醍醐味はその時代へ読者も入り込むことです。

ご購入について

書籍: A5版/152ページ
価格: 1,500円(+送料200円)
PDF版: 1,000円
20冊以上: 送料無料+現地ガイド付き(長浜駅西口より送迎)

申込先:
〒526-0242 滋賀県長浜市三田町513
清水 修吾(℡ 0749-74-2998)   

メール:shimizu513@zb.wakwak.com

新聞記事(クリックしてご覧下さい):https://www.chunichi.co.jp/article/537196